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執筆者の写真Yasuko Kasaki

6. Think differently

Think differently. これは、しばらく前に登場した、某コンピューター会社のコマーシャルコピーですが、年月がたっても古びない、傑作キャッチフレーズですね。 「違ったふうに考える」。何と? 今までの自分の考え方と。誰と? ほかの人たちと。つまり、昨日まで考えたことのなかったことを、新しい考え方で考える、ということです。 昨日まで考えたことのなかった生き方を、今日はじめる。 昨日まであきらめていたことを、今日、実現する。 そのような「今日」にしたい、と願うことはないでしょうか? 思い切って長い髪をばっさり切る。ピアスの穴を開ける。はじめてショートスカートをはく。はじめて人前で歌う。はじめて上司に意見を言う。好きな人に告白する。 こうしたささやかで小さい「はじめて」が、”自分を変える”ことがありますね。でもそれは、実は自分を変えているわけではなく、自分のなかに元々あって、「でもこんなことはできるわけがない」「失敗したらどうしよう」「笑われたら恥ずかしい」等々の理由で実行できなかった願望やビジョンを、勇気を持ってやってみたということなんです。 わたしの周囲に、四十代、五十代になってはじめての趣味、仕事、勉強等に着手する人たちが大勢いらっしゃいますが、その「はじめて」は、子どものときに習っていピアノであったり、ずっとやってみたかったフラダンスであったり、長い間ためらっていた留学であったり、どれも、昔から心のなかにあったものばかりです。 自分が変わった、成長した、と感じるときというのは、例外なく、心の奥にあったものを外に連れ出す、ということをやっているのです。今までなかった自分になったのではなくて。 違ったふうに考える、ということについても同様です。 悲観的な考え方を変えたい、人を批判する癖を治したい、自分をもっと大事にできるようにしたい、すぐ自棄になる性格を変えたい、依存体質をなんとかしたい・・・一見、今までの自分ではない自分になりたい、と願っているように見えますが、実は、自分のなかに、すでに、「今のように考えるのではない自分」がいるので、その自分が外に出たがっているだけなのです。 自分が持っていないものを欲しがることはない。 この原理を、ぜひ覚えておいてください。 欲しい、こうなりたい、ということがあるのは、自分のなかにその種があるからなのです。 こんな自分はイヤだ、と感じるとき、「ということは、こうではない自分が心のなかにいるということなのだな」と思い出すといいでしょう。 そのように考えることが、「発想を変える」、すなわち「現実を変える」第一歩となります。


(初出誌 Linque Vol.7 発行:国際美容連盟2005年7月)


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