Happy になりたい。Happy でいたい。 誰もがそのように願っていて、そのために努力しているのではないかと思います。幸福とは、有り余るお金で買い物をしまくることではないし、永遠にはしゃいで暮らすことでもないですよね。パートナーや家族、大事な人たちが健康でいつもそばにいてくれて、自分を愛してくれていること? 一生懸命頑張った仕事で評価されること? それはそうですよね。まちがいなく、幸福のひとつの様相ですね。 でも、そういうものが幸福というものの源だとしたら、人間関係の変化や、心変わりや、病気や死、仕事の挫折があったら、ひとたまりもありません。そして、そういうものは <必ず> やってくるのです。
持続しないことがわかっているものを幸福と呼べるでしょうか。永遠に幸福でなければ、失う心配から逃れられているのでなければ、ほんとうの幸福とは言えないのではないでしょうか? Happy な状態は、自分の心の外からやってくるものではない、Happy を感じるのは心であって、自分の生活を取り囲むさまざまなものではない、ということがわかっているなら、つまり、お金や仕事の成功や恋人が自分に幸せをもたらしてくれるわけではないということが理解できるならば、さらには、幸福の中心には、失う恐れがないということ、すなわち安心感がなければならないということが納得できるならば、Happy になる方法は、実はとってもシンプルだとわかります。 気をつけていなければならないのは、二点だけです。
その一。Do not attack. 決して攻撃しないと、心に決めることです。何があっても、です。パートナーとの間であっても、ビジネスの交渉の場であっても、交通事故の現場でも、です。相手を責めない、相手の非をあげつらわない、相手のせいにしない。ここには、行動で相手を攻撃することはもちろん、文句を口にする、愚痴を言う、そして、怒りや不平不満を心のなかでつぶやくことも含まれます。相手をやり込めても、自分の正しさを認めさせても、幸福は訪れません。どちらが正しいかを競い合っているのではなく、Happy でいることが大事だったのだと思い出してください。怒りが湧いても、ぐぐぐっと堪えて、少なくとも言動に出さない、と決めると、心のなかに渦巻く文句も、いずれ消えていきます。しばらく練習していると、驚くほど素早く消えるようになることに気づくでしょう。
その二。Do not defend. 自分を守ろうとしないこと。。相手に責め立てられているとき、批判されているとき、怒りをぶつけられているとき、自己防衛のために言い訳をする代わりに、ただじっと相手に耳を傾けてみます。自分を守らなくてはと焦る気持ちがないと、平静でいられるばかりか、相手がほんとうに言いたいこと、口には出されていないほんとうの気持ち(それは自分とは直接関係がないことかもしれませんが。そして、関係がないことのほうが多いですが)がテレパシーのように伝わってくることがわかって、びっくりするのではないかと思います。 相手を攻撃しない。自分を守ろうとしない。 この二点を、一週間、練習してみてください。心が穏やかになってきます。Happy になってきます。すると、まわりの世界がそんな幸福な心を祝福して、たくさんの喜ばしいことが起こってきます。 あなたが憧れる彼/彼女は成功したからHappy なのではありません。Happy だから成功しているのです。
(初出誌 Linque Vol.12 発行:国際美容連盟2006年4月)
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